【本】色川武大『離婚』-ウダウダ



結婚に向かない夫婦の離婚後が描かれた作品。


別れた後もくっついたり離れたりを繰り返す元夫婦。

ウダウダな状態を延々と読まされてしまう。

それぞれに気になる異性ができて心穏やかならずであったりと、揺れ動く二人だが主役の元夫の煮え切らない態度には嫌悪感すら覚えた。


本作品のような男女の関係性は、発表当時、当世風ではあっても、クールさが欠如している分、今は古臭さがぬぐえない。


阿佐田哲也名義の『麻雀放浪記』が広く知られている著者だが、娯楽性では私小説風の本作品とは比べくもなかった。

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【本】渡辺淳一『阿寒に果つ』-奔放な女性が活写されている



阿寒で自殺を遂げた18歳の女性画家。


二十年の時を経て、彼女に想いを寄せていた主人公は、彼女と関係のあった男性たちを訪ね、死の真相を探し出そうとする。

5人の男性、そして姉の回想を通して、人物像が明らかになっていくストーリー展開だ。

自分を一番に愛していると男性たちに思わせる女性の生き様、そして彼女に翻弄され喪失感を抱え続ける男性が活写されている。


著者の高校時代の恋人(?)をモデルにしているようだが、1950年代の札幌に、このような奔放な女性がいたことは少なからず驚きではある。


ただ、男性たちを魅了し、あっけなく果てた女性の真の心の底は分からない。

そこは読者の考えにゆだねるということになるだろうか。

【渡辺淳一 関連 記事一覧】
【本】渡辺淳一『白い宴』-心理描写が卓越している
【本】渡辺淳一『光と影』-運命のいたずら

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【本】筒井康隆『みだれ撃ち涜書ノート』-”らしさ”炸裂のブックレビュー



筒井康隆作品は、多感な時期に耽溺してしまったせいか、良くも悪くも自分の人格の一部を形成しているように思える。

本書は、1970年後半の著者によるブックレビューであり、本を読む一貫した姿勢はなるほど”らしい”とあらためて認識した次第。


扱っているのは、SF、心理学、純文学、自己啓発書と多岐に渡っており、著者の教養の広さを伺い知ることができまる。

おちゃらけレビューもありながら、SF作家としてのプライドが垣間見える舌鋒鋭い切り口もありと、読んでいて飽きがこない。


友人知人作家の裏話は興味深く読ませてもらった。村上龍も新人作家の時代はあったのだ。


手に取って読みたくなるものがいくつかあるが、なにせ40年前の本なので、絶版になっているのが残念である。

【筒井康隆作品 記事一覧】
【本】筒井康隆『パプリカ』-現実崩壊感はあるもののわかりやすい展開
【本】筒井康隆『エロチック街道』-毒性は極めて少ないけど
【本】筒井康隆『エンガッツィオ司令官』-断筆解除直後の短編集にニヤリ
【本】筒井康隆『玄笑地帯』-久々に筒井康隆さんのエッセイを読んで狂喜乱舞する
【本】筒井康隆『家族場面』-記憶に残るような作品には出会えず
【本】筒井康隆『くたばれPTA』-読みやすい短編集ではあります
【本】筒井康隆『最後の伝令』-死が強く意識された作品集
【本】筒井康隆『魚籃観音記』-筒井康隆的エロ本

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【本】ジャック・ケッチャム『ロード・キル』-スプラッターだけで終わらない奥深さ



偶然目撃した殺人現場で、シリアルキラーの本性が爆発した男。

ケッチャムの作品は、本を閉じたくなるような残酷な描写から、スプラッターホラーとして見られがち。

しかしながら、心の闇を抉る力強さで、それだけに終わらない奥深い作品となっている。


本作品も、殺人を犯した男女の葛藤や、捜査官の懊悩、被害者となる人々の日々が綿密に描かれていて、読みごたえがある。

シリアルキラーのキレっぷりもなかなかで、エンターテイメント性の高い。

【ジャック・ケッチャム 関連 記事一覧】
【本】ジャック・ケッチャム『隣の家の少女』-不思議な力のある物語

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【本】浅暮三文『ダブ(エ)ストン街道』-メフィスト賞の懐の広さを感じる



行方不明の恋人を探し求め主人公が漂着した伝説の島ダブ(エ)ストン。

そこは、奇人変人、奇妙奇天烈な獣が跋扈する迷宮だった...


本作品は、ワンダーランドに迷い込んだ男の、不思議体験談だ。

ファンタジーになるのだろうが、めくるめくイマジネーションに翻弄され、とは残念ながらいかない。

ただ、西洋童話のパロディのような、独特の雰囲気を持った作品ではある。


つまらなくはないけれど、大きな盛り上がりがないまま淡々とお話しは続き、ラストにちょっとほっこり感を残す。

なんでもありありのメフィスト賞。

懐の広さを感じた。


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