【本】三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』-次作への期待が膨らむ



便利屋を営む主人公の元に転がり込んだ高校の級友。

高校時代は一切、会話を交わさなかった二人が、ひょんな事からゆるゆるのビンボー便利屋ライフを過ごす連作短編集だ。


ワケありのうっとおしい男たちが、ちょっとした日常の波乱に巻き込まれるのだが、彼らの脱力感が実に心地良い。

読み進めるうちに二人の過去が詳らかにされ、ストーリーに厚みが出てくる。

友情をはっきりと表さない二人だが、ラストはしっとりとしていて、次作への期待が膨らむ。


ドラマの方を先に見たので、登場人物のイメージが固まってしまったのが残念。





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【本】宮本輝『蛍川・泥の河』-純文学の力強さ



北陸は富山を舞台に、複雑な家庭で育った少年のひと時を切り取った作品。


少年とその母、級友らとの関わりは、中学生にしては幼いのだが、その目には残酷な現実が映っており、ゆえに深い感銘を与える。

それは本書に同時収録されている、廓舟に住まう姉弟と少年の交流を描いた『泥の河』にもみらる。


母と級友とを連れ立っての蛍狩りが本作品のクライマックス。

蛍が舞い踊る妖しくも美麗な圧巻のシーンは、純文学の力強さを感じる。


本作品は、著者が30歳の頃の作品だが、若い頃から文学的に老成していたんだろうね。


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【本】森雅裕『さよならは2Bの鉛筆』-男勝りとはいかない程度のハードボイルドぷりが魅力的

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さよならは2Bの鉛筆

名門音楽学院に通う女子高生が主役の連作ミステリ。


主人公の、男勝りとはいかない程度のハードボイルドぷりが魅力的だが、交わされる会話の内容を見るにつけさすがに時代を感じてしまう。


芸術に造詣が深い著者らしく、3編の作品それぞれに音楽、オートバイ、シャープペンシルに関する、ちょっとマニアックな知識が見受けられる。

一話では、高慢ちきな主人公に抵抗を感じ、読み進めると、彼女なりの正義感が友人や父親との関係を通して理解できる。


減らず口を叩き続けた主人公が女子になっちゃうタイトル作が良いね。

【森雅裕 記事一覧】
【本】森雅裕『椿姫を見ませんか』-芸術に専心する学生たちの日々に惹きこまれていく

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【本】ボストン・テラン『神は銃弾』-サスペンスフルな展開



元妻とその再婚相手がカルト集団に惨殺され、娘が連れ去られた刑事。

捜査が行き詰まりをみせるなか、刑事は元女性信者の助けを借りて娘の足跡を追いかける。


本作品は、ジャンキーの元女性信者と真面目一筋の刑事のバディもので、ロードノベルでもありる。

バディものの定番である、そりの合わない二人の心を通わてせいく様が見所のひとつだ。

心の襞に分け入るような深淵さを持ち合わせつつ、サスペンスフルな展開を見せてくれる。


ただ、凄惨なシーンが続くのと幼い子供が犠牲になっているので読んでいて気分がよくはない。


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【本】川上未映子『オモロマンティック・ボム!』-日常の周辺への著者のこだわりが、共感やら笑いを誘う



川上未映子さんの週刊誌連載エッセイをまとめたもの。


小説の方は読んだことはないが、オモロマンティックのタイトルがオモロ過ぎて手にとった。

面白い!確かに面白い!

出だしの数編こそ、緊張感さえ漂うぎこちない書きっぷりだが、しり上がりに調子が出てくる。


日常の周辺への著者のこだわりが、共感やら笑いを誘う。


ちょっと天然だけれど、考え方にぶれがない強い芯があるように感じる。

特に、オチにさらに加えるダメ押しの一言が素晴らしい。

このような脳内活動をする女性が周りいるとかなり楽しいはず。


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日常の事をつらつら記録していましたが、一年過ぎた頃から読書の備忘録になってしまいました。日々の事などはTwitterにて。

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