【本】青山七恵『かけら』-日常の中の大切なもの



「綿棒のようなシルエットの父がわたしに手を振って、一日が始まった。」。

青山七恵の短編「かけら」はこの一文から始まる。

女子大生とその父二人がはからずもさくらんぼバスツアーにいくというお話し。

娘からみた父は、冒頭のような印象で、なんともうっとうしい限り。


短い旅の中で、父の知らない姿を発見して、ちょっとだけ思いをあらたにするのだが、そのさじ加減が絶妙である。

父と娘の距離は圧倒的には縮まらないけれど、娘のほんの些細な気持ちの変化にほっこりさせられる。


「欅の部屋」は、結婚を前にして昔の彼女の事を反芻する男性を、「山猫」は高校生のいとことしばし同居することになった新婚の女性を描いている。

三作品とも日常にありふれた物語である。

だからこそ、日常の中の大切なものを見つけ出す瞬間に、心を揺さぶられるのだ。


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