【本】西村賢太『苦役列車』-このイタさはクセになる



中年の腹を裂いてはらわたを覗き見たような気にさせる作品。


私小説であるから、著者の西村賢太は、すなわち主人公の貫多なんだろうが、よくもまあ、ここまで惜しげもなく(?)自身をさらけ出せるものだ。

ちらりとやっかみや悪意が頭をかすめても、それを封じ込めるのがあるべき大人だが、それをドロドロと吐き出すイタさに、むしろ潔さを感じた。


古式ゆかしい文体が、作品世界をいっそう負のオーラで包み込み、匂い立つようなものに仕上げているようだ。


「苦役列車」は、日雇い労働に明け暮れる青年期の、「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」は文学賞を受賞し始めたもののぎっくり腰に悩む貫多の日常が切り取られている。

このイタさはクセになる。



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