【本】吉田修一『元職員』-痛快ですらある



バンコクを訪れた主人公は、そこで出会った日本人青年から、美しい娼婦を紹介される。


べたつく熱気の中、ワケあり主人公と娼婦の乾いた交情が描かれた作品なのだが、安易な友情や恋愛物語に昇華しないのが吉田修一流だろうか。

アジアの旅で感じる、かの地からも見た日本人に対する突き刺さるような冷ややかな視線が、細やかな動作の中に上手く表現されている。


すったもんだの挙句、これまでの出来事にツバを吐きかけるような、独特の歪みが印象的だ。


まったく好感の持てない主人公なのだが、ラストの高笑いは、痛快ですらある。


【吉田修一 記事一覧】
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