【本】藤野可織『爪と目』-確かに純文学ホラー



不倫の末に妻の座を手に入れた女性が、継子の視点から縷々、語られていく。


母親ではない<あなた>の日常が、<わたし>の幼い目から、赤裸々にされていくのだが、主体から見えない部分まで<わたし>の語りに表れてくるのは、違和感がつきまとう。

長じた<わたし>が過去を振り返る中で、出来事を再構築したと考えるべきなのだろうか。


純文学ホラーなる冠で注目された本作品。終始心の奥底が見えなかった<わたし>だけに、ラストの展開には衝撃的ではある。


読み進めながら、鬱屈した気分が晴れやかになる暗い欲求を自身の中に見出してしまった。

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