【本】吉田修一『平成猿蟹合戦』-もろ手を挙げてのハッピーエンドは似合わないのかもしれない



「悪人」、「怒り」を”黒”吉田というならば、「パークライフ」、「横道世之介」は”白”吉田で、本作品は後者の系譜である。


著名なチェロ奏者を恐喝した歌舞伎町のバーテンが、ひょんなことから国政選挙に打って出るという、まさに御伽噺だ。

登場人物たちが、逆境をはねのけ、紆余曲折、意外や意外の才能を発揮して明るい未来に向かうという、まさに”スカっとする”展開。


しかしながら、彼らが複雑な絡み合いをするため、エピソードがてんこ盛りゆえに冗長さが否めない。

”白”吉田の作品であっても、ほろ苦さが付きまとうのだが、本作品は”らしく”なくて頁数が多い割には物足りなさを感じる。


著者の作品は、もろ手を挙げてのハッピーエンドは似合わないのかもしれない。

【吉田修一 記事一覧】
【本】吉田修一『怒り』-本作品のテーマは
【本】吉田修一『元職員』-痛快ですらある
【本】吉田修一『横道世之介』-忘れられない物語
【本】吉田修一『悪人』-吉田修一さんの凄腕が堪能できる
【本】吉田修一『ランドマーク』-得体の知れない何かを渇望してしまう
【本】吉田修一『女たちは二度遊ぶ』―男性目線で描く女性のあれこれ
【本】吉田修一『7月24日通り』-夢想女子の恋愛話し
【本】吉田修一『ひなた』-適度な距離感―適度な距離感
【本】吉田修一『東京湾景』―恋しくて愛おしくてを感じない乾いたところがリアル
【本】吉田修一『あの空の下で』―短編「流されて」の最後の一文できゅんきゅん
【本】吉田修一『熱帯魚』-なんとなくイヤなヤツら
【本】吉田修一『日曜日たち』-家族や恋人との関係において、何がシアワセかってことを、ふと考えさせられる一冊
【本】吉田修一『長崎乱楽坂』-極道一家の栄枯盛衰を描く連作短編集
【本】吉田修一『さよなら渓谷』-ひつとの愛のかたち
【本】吉田修一『静かな爆弾』-雪降る季節に恋愛小説などを
【本】吉田修一『パレード』-戦慄の群像劇
【本】吉田修一『春、バーニーズで』-もう一つの人生を思い描いちゃう
【本】吉田修一『最後の息子』-吉田修一さんのデビュー作を読んでみる
【本】吉田修一『太陽は動かない』-エスピオナージ+冒険小説+ハードボイル+(ちょっぴりだけ)恋愛小説
【本】吉田修一『パークライフ』-HAND IN HAND THROUGH THEIR PARKLIFE♪

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