【本】大江健三郎『死者の奢り・飼育』-言い表しようのない力強さ



死体処置室のアルバイト学生「死者の奢り」、拿捕された外国人兵士をペットと化す少年「飼育」他、人間の恥部をさらけ出したような、読んでいて厭な気分にさせられる作品集。


嫌悪感を覚えながらも、心の行き場のなさを突き付けてくるような、言い表しようのない力強さを持っている。


「飼育」は、隔絶された村落を舞台に、拘禁された黒人兵への少年の異様な愛着が一変するシーンが鮮烈だ。

劇薬に近い幕引きとなるこの物語は、ビルドゥングルロマンというべきものであり、少年の姿に諦観や諦念という言葉を想起する。

【芥川賞】

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