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【本】渡辺淳一『阿寒に果つ』-奔放な女性が活写されている



阿寒で自殺を遂げた18歳の女性画家。


二十年の時を経て、彼女に想いを寄せていた主人公は、彼女と関係のあった男性たちを訪ね、死の真相を探し出そうとする。

5人の男性、そして姉の回想を通して、人物像が明らかになっていくストーリー展開だ。

自分を一番に愛していると男性たちに思わせる女性の生き様、そして彼女に翻弄され喪失感を抱え続ける男性が活写されている。


著者の高校時代の恋人(?)をモデルにしているようだが、1950年代の札幌に、このような奔放な女性がいたことは少なからず驚きではある。


ただ、男性たちを魅了し、あっけなく果てた女性の真の心の底は分からない。

そこは読者の考えにゆだねるということになるだろうか。

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偶然目撃した殺人現場で、シリアルキラーの本性が爆発した男。殺人犯のカップルを拉致、連れまわし、今度は自身が連続殺人に手を染めていくというサスペンスドラマだ。

ケッチャムの作品は、本を閉じたくなるような残酷な描写から、スプラッターホラーとして見られがち。しかしながら、心の闇を抉る力強さで、それだけに終わらない奥深い作品となっている。

本作品も、殺人を犯した男女の葛藤や、捜査官の懊悩、被害者となる人々の日々が綿密に描かれていて、読みごたえがある。シリアルキラーのキレっぷりもなかなかで、エンターテイメント性の高い。
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